どんぐりに関する言葉・俗信


どんぐりに関する言葉

どんぐりまなこ(団栗眼)

どんぐりのように丸くてくりくりした目。
また、まん丸く大きく開いた目。
どんぐり目。どんぐり目玉。

どんぐりあたま

どんぐりのような形のあたま、髪型???

どんぐりあたまという言葉はよく聞きますが、
正確には辞書には載っていないので、
どのような頭をさすのか正確にははよくわかりませんでした。

どんぐりのせいくらべ(団栗の背比べ)

どれもこれも平凡で、特にすぐれて目立つものがないことのたとえ。


どんぐりの俗信

どんぐりやどんぐりの木には地方により、
いいもの、わるいものなどいろいろな俗信があります。
ここに載せた以外にもたくさんあると思います。

私は、「どんぐりを食べると、どもりになる」以外は
ほとんど聞いたことがありませんでした。

どんぐり

どんぐりを食べると、どもりになる(兵庫県など)

岡が椎なら山は団栗
(おかしいと笑われたときに言いかえすことば遊び)

団栗化して山姥となる
(山姥は、深山に住むという鬼女)

楢(ナラ)

ナラの芽の生える頃クマタカの卵が生まれる(秋田)

ナラの新芽が緑になるとヒエを播け(栃木)
(楢の新芽が青くなったら稗を蒔け)

邪魔に楢の木無患子(むくろんじ)
(邪魔になるというむだ口)

松蔭の楢の木
(大きさがはなはだしく違うことのたとえ。月とすっぽん)

樫(カシ)

カシの木を屋根より高くしてはいけない(埼玉)

家の裏にカシ、表にカリンを植えるとお金がたまる(長野)

カシを庭に植えると病人がでる(長野)

カシの木の根元がしめっていると雨になる(愛知、和歌山)

家の南にカシを植えると果報があるという(香川)

鎌の柄にカシを用いることを忌む(高知)

一樫(かし)二茱萸(ぐみ)三椿(つばき)
(材質の硬い木の順位)

樫の木切ったあとにだらの木が生える
(賢人に不肖の子が生まれるのにたとえる)

樫の木の根元が湿っている時は雨(兵庫、山口県)

樫の実の一人子
(たいせつな一粒だね、一人っ子:
樫の実は一つのかさに実が一つしかないのでいう)

細くても樫の木
(細くてもかたくてじょうぶな樫の木のように、
見かけは貧弱でも実際はしっかりとした強固なものをいう)

六本の樫でむつかしい
(「六つ樫」を「難かしい」にかけたしゃれ)

六本の樫の木に五つの猿でむつかしござる
(「六つ樫」と「難かしい」、「五猿」と「御座る」をかけたしゃれ)

柏(カシワ)

カシワの木を植えるとお産がふえる(群馬)

植木にはカシワを喜ぶ(長野)

屋敷内には植えない。即ち、民家には過ぎた木として忌む(鳥取)

カシワは新芽が出ても落葉しないから喜ぶ(福岡)

狐子を柏葉に包んだよう(山形)
(騒がしいさまのたとえ)

椚(クヌギ)


クヌギの花が下向きに咲く年は春に大雪が降る(群馬)

クヌギの花盛りがヒエの蒔き時(群馬)

クヌギの葉が緑になるとモミを蒔く(広島)

クヌギが紅葉したらムギを蒔く(広島、香川、福岡)

椿櫟に長木なし
(椿やクヌギからは長い材木はとれない)

椎(シイ)

梅田に椎麦(梅田椎麦)
(梅の実がよくなる年は稲も豊作、椎の実が多いと翌年の麦も良い)

裏山椎の木山椒の木
(うらやましいというこどばあそび)

岡が椎なら山は団栗
(おかしいと笑われたときに言いかえすことば遊び)

おかしいの実が一袋
(おかしいの意:椎の実は江戸の子供の好物で、
袋に入れて売っていたところから)

恐ろしいの木三本
(恐ろしいの「しい」と「椎」をかけたしゃれ)

志は松の葉(笹の葉・椎の葉)
(たとえ松の葉に包むほどのわずかな物でも、
贈り主の真心がこもっていれば立派な贈り物である。
志は木の葉に包めと同類)

心持ちは椎の葉
(同上)

椎の実多く実る年は凶作(沖縄)

椎柴
椎の木が群がって生えること
喪服の色、喪中

民間療法

歯痛にはナラの生木をあぶり、痛い歯でかみしめる(新潟)

口瘡にはナラの木をあぶって切り口から出る渋をつける(石川)

切り傷にはナラの葉をかんで貼る(岐阜)

口の端が白くなる時は、カシの木のあわをつける(愛知)

節供の日にカシワの葉をしまっておくと薬になる(愛知)

腎臓病にはシロカシの葉を煎用する(徳島)

ナラの種子・甘皮を煎じて風邪、喘息の薬にする(高知)

クヌギの葉を煎じて飲むと、かぶれの薬(福岡)


参考書籍
日本俗信辞典(動・植物編) 鈴木棠三著 角川書店出版
俗信故事ことわざ大事典 小学館

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